初期型グランドアクシスのレストア記録#17【全波整流化編】
こんにちは!ゆーまんです。
YAMAHAのグランドアクシスのレストアです。
今回は電装系の究極?である全波整流化にチャレンジしましたよ!これを行うことによってクルマや単車のようにキーを回すとバッテリーから電気が供給されるようになります。LED化やHID装着には欠かせないカスタムとなっています。クルマの電気は色々と触ってきましたが小排気量のバイクは初めてです。
レストア作業は素人が趣味で行っています。作業する際は自己責任でお願いしますね。
ひとつ前の記事はコチラ「初期型グランドアクシスのレストア記録#16【キャリパーOHとホイール塗装編】」
【初期型グランドアクシス】全波整流化の準備
グランドアクシスの全波整流化を行うにあたっての準備をしておきましょう。
全波整流化を行うにあたっての心構え
- 間違った配線をすると電気系統は壊れるので、覚悟しておく。
- 最悪の場合、車両火災になる可能性がある。
- トラブルが起きた場合、自分で対処できるようにしておく。
- 全て自己責任で作業すること。
全波整流化する覚悟が出来たら必要なパーツを揃えます。
用意するもの | 備考 |
全波整流対応レギュレーター | ヤフオクなどで安く売ってます。 |
ジェネレーターからレギュレーターまでの配線 | 細いと危ないので同じぐらいの太さの配線が良い |
ギボシ | 数セットあれば良い |
半田ごて | 60w出力があれば良い。20wでは溶けなかった。 |
半田 | くっつけばなんでもOK |
熱収縮チューブ | 接続した配線の絶縁処理 |
4極カプラー、3極カプラー | キレイに付けたいなら1セットずつあると良い。 |
サービスマニュアルの配線図 | 頭がごちゃごちゃになるのである方が良い。 |
私が揃えたパーツは以上です。完成の精度によって必要なパーツが変わってくると思うので、自分の納得いく形でパーツや部品を揃えましょう。
まずは冷却ファンカバーを外します。マフラーは外さなくても作業できますが、邪魔なら外しても良いでしょう。私はマフラー付けたまま作業しました。
また、私のグランドアクシスの場合は外装を全て外した状態です。外装が付いている車両は外装を外す作業も加わってきます。
冷却ファン、アウターローターを外すとコイルがあるジェネレーターが見えます。ベースプレートと固定しているボルト(中央に2箇所)を緩めておくと良いですね。ジェネレーターから配線が出ていますので、カプラーを外し、グロメットをエンジンから外しましょう。
古い車両はボルトが固着している可能性があります。慎重に外しましょう。
【初期型グランドアクシス】ジェネレーターの配線加工
ベースプレートごと外したジェネレーターを分解します。中央のボルト2箇所と配線を固定している金具を外せばコイル部分だけ外れます。
コイル部分が外れたら、裏を向けて配線が繋がっている箇所をチェックしましょう。
画像のように白線と黄/赤線の2本が繋がっています。今回、触るのは黄/赤線です。電気はあまり詳しくありませんが、黄/赤線がACになっています。これをレギュレーターを通してDCとして取り出すわけです。
サービスマニュアルに配線図があります。不安な方は配線図を用意しておくと良いでしょう。
半田ごてを使い、黄/赤線を外す
それでは、黄/赤線を外します。
ここの半田が結構ガッツリついていて、出力の弱い半田では溶かすこともできません。私は20wと60wの半田を所持していますが、20wでは溶けませんでした。
火傷に注意しながら半田を溶かして、黄/赤線を端子から外しましょう。この配線は使いますので、切ったりしない方が良いです。
ジェネレーター表面の端子金具を抜く
裏面の黄/赤線が外れたら、表面の作業をします。
黄/赤線の半田を外したちょうど裏側にある端子金具を引っこ抜きます。ハメ殺しになっている端子でツメが引っかかっているので、そのまま引いても抜けません。グリグリと少しコジリながらやると抜けますよ。少し破壊するような感じで抜くことになります。もう後戻りはできませんよ~
この端子金具にコイル線が接続されています。このコイル線は使いますので切ったりしないようにしましょう。
端子金具に繋がっていたコイル線と黄/赤線を繋ぐ
半田を外した黄/赤線と端子金具に付いていたコイル線を接続します。
半田を使って接続しますが、コイル線には半田が乗りません。ヤスリなどでコイル線を削って半田が乗るように足付けします。それでも半田は乗りづらいので慎重に作業しましょう。
半田を盛る前に熱収縮チューブを入れておきましょう。この部分がショートしてしまうと大変なことになりそうなので・・・これでもかというぐらい絶縁しておくと良いでしょう。
コイルの周りをアウターローターが回りますので、はみ出ないようにするのがポイントです。
【初期型グランドアクシス】ジェネレーターをベースプレートへ戻す
配線の処理が終わったらベースプレートにジェネレーターを戻します。
私はベースプレートを外す際に固着しており、電動でガツンと回して外したのですが、その際にネジ山がつぶれてしまいました・・・プラスネジ・・・コワイ・・・デスヨネ・・・皆さんも気を付けましょう。
さらに私の失敗談なのですが、上の画像で失敗した箇所がもうひとつあります。全部組み上げてエンジンを掛ける時に気が付いたのですが・・・
それは、画像の右上のマグネット部分です。ベースプレート外した時に同時に外して戻したのですが、微妙に内側(コイル寄り)に付けてしまったようです。今までより内側に付くということは・・・
そうです。アウターローターに干渉します。
組み上げてエンジンを掛けようとキックしようとした時に、ガリン・・・ガリン・・・と一定周期で擦っている音が聞こえました。すぐに原因はわかりますよね・・・さっきまでジェネレーターいじってたわけですから!
もう一度分解して、擦っているマグネット部分の位置を調整しました。組み上げる前に手で回してみて干渉しないことを確認してから仕上げました。
二度手間になってしまうので、気を付けましょう~
ホームセンターで同じサイズのボルトを購入
先日、ナメてしまったボルトをホームセンターにて購入してきました。
左から純正ボルト、クローム、ステンレスです。こんなに必要ありませんが・・・安いので予備で購入しておきました。
ちなみに純正パーツリストには、このボルト載っていません。
ということは、純正品を注文することはできないですね。ジェネレーターアッセンブリになるようですが、それも廃盤なので手に入れることはできません。中古を探すしか手はなさそうですね。
新品ボルトはクロームを使いました。ステンレスの方が若干柔らかいということを聞いたので、また外すときのことも考えてクロームです。カジリ防止でシリコンスプレーをほんの少し塗っておきました。
いいのか悪いのか分かりませんが固着しなければいいなという考えです。
やはり新品のボルトは気持ちいいですね!めっちゃキレイ!
【初期型グランドアクシス】カプラー配線を加工しておく
全波整流化はこれで終わりではありません。
ジェネレーター側が完了したら、次は車体配線とレギュレーター配線ですよ!
配線加工した黄/赤線はカプラーを通って、テール、ヘッドライト、ウインカーに繋がっています。そのままでは整流されていない電気が流れてしまうので、カプラー手前部分で切り落としギボシを取り付けます。
カプラーから端子を抜いても良いですが、私は面倒だったので切っちゃいました。
【初期型グランドアクシス】全波整流化対応レギュレーターへ接続
全波整流化をするには純正のレギュレーターは使えません。対応品に交換する必要があります。ヤフオクなどで安く売っているので、探してみると良いでしょう。
レギュレーターがある部分はフロントカウル内のホーンの近くです。
レギュレーターは熱を持つのでグリルから風を取り込んでいる箇所で多少の雨も入っています。サビ付いていることもあるので、外す際はネジ山をナメないように注意しましょう。
私は上の画像の位置に取り付けました。
ジェネレーターからレギュレーターへの配線を追加する
レギュレーターへの入力線が1本増えるので、ジェネレーターからの配線を追加しなくてはなりません。私の場合はカウルなど外しているので、とてもやり易かったです。
ジェネレーターで発電された電気を運ぶので、細い配線を使うのはやめておきましょう。せめて純正と同じ太さか、それ以上にすることをおすすめします。
ジェネレーターの上、オイルタンク辺りからレギュレーターまでフレームに沿って配線を追加しました。
ジェネレーター黄/赤線とレギュレーター追加線を繋ぐ
ジェネレーターからくる黄/赤線と新規に配置した配線を接続します。
ギボシを作っておいたので接続するだけですね。私は電気を供給する側がメスになるように作っています。理由としてはメスギボシのカバーが大きく、絶縁対策にもなると考えている為です。
フレームに触れてしまうとショートするので、気を付けておきたいですね。
レギュレーター側の配線を接続する
新レギュレーターの配線は交流電力入力線+が2本、整流された電力の出力+が1本、アースが1本の計4本のタイプです。
純正のレギュレーターは半波整流タイプらしいので使えません。すぐに外しましょう。
ジェネレーターで発電された電気は交流(AC)になります。配線加工を施した黄/赤線から新規配線を通って新レギュレーターの交流電力入力線へ接続します。新レギュレーターの交流入力線はどちらに接続しても同じです。
整流された直流電力(DC)は、純正レギュレーターに刺さっていた赤線へ接続。アースは純正レギュレーターに刺さっていた黒線へ接続します。残った交流入力線は、純正レギュレーターに刺さっていた白線へ接続します。
純正レギュレーターのカプラーに刺さっていた黄/赤線には電力が流れていないので、ACCになる部分(キーONで電力供給)に接続します。今回はメインキーハーネスの下にあるカプラーから出ている茶色線が電力供給先になります。
先端 | 配線色 | 経由配線 | 接続先 |
ジェネレーターにある加工した配線 | 黄/赤 |
新規に作った配線 |
新レギュレーターの交流入力線 |
純正レギュレーターに付いている配線 | 白 | 新レギュレーターの交流入力線 | |
純正レギュレーターに付いている配線 | 赤 | 新レギュレーターの直流供給線 | |
純正レギュレーターに付いている配線 | 黒 | 新レギュレーターのアース | |
純正レギュレーターに付いている配線 | 黄/赤 | キーシンリダー下のカプラー茶色線 |
文章で説明するの凄く難しいですが、ご理解いただけましたでしょうか・・・
カウルが外れている今の状態でついでにアーシングを施すのも良いですね!
あいにくアーシング用の配線が無かったので、今回は諦めましたが機会があれば施工したいですね。
メインハーネスから出てる黄/赤線はACCとして使える
全て接続が完了すると、上記の画像のメインハーネスから出ている黄/赤線が余ります。ここにはメイン電源の茶色線ACCから電力が供給されているので、スマホ充電やLED装飾や追加メーターなどに使えるでしょう。キーをONにすると電源が供給されます。
場所がオイルタンクの近くにあるので、シート下の収納BOXへ伸ばして照明をつけても面白いですね!
【初期型グランドアクシス】まさかオイル漏れ!?
配線処理をしていると異変に気が付きました。
エンジンカバーに液体が見えます。なぜ・・・嫌な予感がして液体が漏れている先を調べました。
オイルタンクにも漏れているのが見えます・・・オイルタンクのキャップから漏れているようですね。閉まっているか確認すると軽くハメてあるだけでした!
そりゃ漏れるは!!ということで、グッと奥までキャップを閉めて完了です。
今回購入したパーツと価格
今回の作業をするに伴い購入したパーツの詳細です。
メーカー名 | パーツ名 | 価格 | 購入先 |
不明 | 汎用レギュレーター | 999円 | ヤフオク |
エーモン | 配線 | 0円 | ガレージ在庫 |
エーモン | ギボシ | 0円 | ガレージ在庫 |
エーモン | 熱収縮チューブ | 0円 | ガレージ在庫 |
不明 | 汎用ボルト×2 | 16円 | ホームセンター |
小計 | 1,015円 |
グランドアクシスのレストア累計費用
前回までの累計(58,043円)+今回の費用(1,015円)=累計59,058円
純正パーツなど価格が変動するので、参考程度としておいてください。
まとめ
今回はグランドアクシスの全波整流化にチャレンジしました。途中、何回も頭がごちゃごちゃになり配線図とにらめっこしました。車体の配線を見直したり、確かめたり・・・正直、結構しんどかったです。完成すればクルマや単車のように安定した電力を供給できるようになります。HIDなんかも付けられるみたいですよ!
- 全波整流化へは覚悟が必要。
- 半田ごてを使う際は火傷に注意しよう。
- ボルトの固着は慎重に外す。
- 結線作業は慎重に確かめながら行うこと。
- オイルタンクのキャップはしっかりと閉めておこう。
次回はフロント足回りの交換です。
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